「筆記テストで高得点をとる」ことを目的とした受験英語については何かと批判も多いですが、受験用の参考書の中にももちろん素晴らしいテキストは存在します。
今回ご紹介するのは、英語の「精読」学習をするのに最適な
英語長文レベル別問題集
というテキストです。
このテキストは、今までに紹介した他の書籍とは違い、書店の語学のコーナーではなく、高校生向けの受験参考書のコーナーに並べられています。
「今さら受験勉強用の参考書なんて・・・」
と食わず嫌いするにはあまりにもったいない内容ですので、この場を借りて社会人の皆さんにもご紹介させていただきます。
以下、『英語長文レベル別問題集』をおすすめする理由を説明していきます。
精読と多読
『英語長文レベル別問題集』の内容に触れる前に、まずは英語学習における「精読」と「多読」について少し説明させてください。
英語学習における「精読」というのは、文章の文法や構造、品詞、単語などを完璧に理解しながら英文を読み進める作業のことです。
「精読」が目指すゴールは、一見複雑に見える英文の構造を正確に把握する能力を養うことです。
英文の構造を正確に把握出来れば、多少意味の分からない単語があっても英文を読み進めることができます。
一方、「多読」というのは、ラクに意味が理解出来るレベルの英文を速く大量に読み進める作業のことを指します。
「多読」が目指すゴールは、外国語である英語を、脳内で言葉として処理するスピードを上げることです。
本来、外国語である英語を言葉として処理するのは脳にとってはストレスの掛かる作業ですが、自分にとって易しい英文を大量に読むことによって、英語を言葉として処理する過程がどんどん自動化され、脳に掛かるストレスが減っていきます。
どちらの作業も、英語を英語としてそのまま理解するためには欠かせない学習工程です。
今回ご紹介する『英語長文レベル別問題集』は、「精読」と「多読」のうち、「精読」の学習に適したテキストです。
慣れてくるとどんな英文でも「精読」の学習素材に出来ますが、最初のうちは『英語長文レベル別問題集』の様に「精読」用の解説が付いたテキストが便利です。
ある程度英語に慣れてきたら、ぜひ「精読」を学習に取り入れてみてください。
amazonで見る → 英語長文レベル別問題集 1(超基礎編)中学〜公立高校受験レベル
レベル別になっているので、自分にピッタリのテキストが必ず見つかる
『英語長文レベル別問題集』が「精読」用のテキストとして優れているもっとも大きな理由は、タイトルにある通り英文がレベル別になっている点です。
下記のように全部で6つのレベルに分けられているので、英語初心者からある程度話せる中・上級者まで、自分にピッタリのテキストを必ず見つけることが出来ます。
2,基礎編(公立・私立高校合格レベル)
3,標準編(センター試験(基礎)レベル)
4,中級編(センター試験・中堅私大レベル)
5,上級編(有名私大・国公立大レベル)
6,難関編(難関私大・難関国公立大レベル)
「英語の長文を読めるようになりたい!」
と思った場合、つい背伸びをして難しい記事(英字新聞やTIMEなど)に取り組みたくなりますが、最初のうちは高すぎる負荷は禁物です。
「精読」というのはあくまでも「英文を完璧に理解しながら読み進める作業」なので、「自分一人では分からない部分もあるが、和訳や解説を読めば理解出来る」程度の難易度の英文が教材として最適です。
もし自分の英語レベルが中学生程度だと感じるのであれば、どうか恥ずかしがらずに「1,超基礎編(中学〜公立高校受験レベル)」で「精読」に取り組んでみてください。
少し英語に自信のある方は、「5,上級編(有名私大・国公立大レベル)」から始めてみるのも良いでしょう。
別に宿題ではないので、必ずしもテキスト一冊を全部やる必要はありません。
「このテキストは自分には易しすぎる」
と思えば上のレベルのテキストに進めば良いし
「しまった・・・少し難しすぎたかも・・・」
と思えばレベルを下げれば良いだけです。
大事なのは、皆さん一人一人が
「意味の分からなかった英文が理解出来るようになった!」
「文章の構造が掴めるようになった!」
という手応えを感じながら英文に向かい合うことであり、他の誰かと英語力を比較することはあまり意味がありません。
『英語長文レベル別問題集』6冊の中から、ぜひ今の自分にピッタリの一冊を見つけてください。
amazonで見る → 英語長文レベル別問題集 2(基礎編)公立・私立高校合格レベル
CDが付属しているので、リスニングや発音の学習にも効果がある
『英語長文レベル別問題集』が「精読」学習用のテキストとして優れている2つめのポイントは、全英文が収録されたCDが付属している点です。
「精読」は「読む」という漢字が使われているので、「黙って英文を読む作業」と思われがちですが、もし可能であれば各単語の発音や文章の中での音の連結・消失も含めて丸ごと理解出来れば、それに越したことはありません。
ぜひCDを活用して、リスニングや発音のスキルも同時にアップさせてください。
CDの具体的な使い方としては、以下のようなものがあります。
・リスニング(全神経を耳に集中させ、英語の音をすべて聞き取れるようになるまでCDを聞いてみる。最初は英文を見ながら聞き、最終的には英文を見ずにCDだけで聞き取れるようになるのが目標)
・ディクテーション(CDを聞きながら英語を書き取っていく。どうしても聞き取れなかった部分は、なぜ聞き取れなかったのかを調べ、復習する)
上記3つの中で、一番おすすめの学習方法は「音読」です。
口の中でブツブツ言うのではなく、少し離れた相手に読んで聞かせるようなイメージで、しっかり声を出して英文を読んでみてください。
回数を重ねれば重ねるほど、英文が自分の中に染み込んでくるような感覚があるはずです。
「ディクテーション」は、「リスニング」を少し進化させた学習方法です。
とても時間が掛かる作業なので、他の英語学習との兼ね合いを考えながら、もし可能であれば取り組んでみてください。
時間は掛かりますが、自分の弱点がハッキリするとても良い学習になります。
「精読」に適した教材は他にも沢山発売されていますが、「レベル別になっていて、尚かつCD付き」のテキストとなるとグッと数が絞られてきます。
英語の「精読」学習に取り組むなら、最初はぜひ「レベル別」かつ「CD付き」の教材を選んでください。
『英語長文レベル別問題集』は、「精読」学習の第一歩に最適のテキストです。
amazonで見る → 英語長文レベル別問題集 3(標準編 )センター試験(基礎)レベル
(補足:CDを使ったどの学習をするにしても、英語の発音の知識があった方が飛躍的に効果が高まります。
別記事で紹介している『英語耳』を活用して、ぜひ発音のトレーニングも学習に取り入れてみてください)
ていねいな構造分析で「英語が完全に分かる」感覚を体験できる
『英語長文レベル別問題集』をおすすめする3つめのポイントは、全英文にていねいな「構造分析」が付いている点です。
英語における「構造分析」というのは、具体的にいうと
「これが主語で、これが動詞。主節の中に従節が入っていて、時と場所を表す副詞が最後にくっついていて・・・」
と、英文を文法的に細かく理解することです。
英文を「精読」する際には、この「構造分析」が欠かせません。
ですが「精読」に慣れていないうちは、なかなか自分だけの力で正確に「構造分析」をすることが出来ません。
少し複雑な英文になると
「どれが主語だか分からない」
「主節と従節の区別がつかない」
と混乱してしまいがちです。
そんな時、あらかじめテキストに「構造分析」が付いていると大変助かります。
一見長くて複雑に思える英文でも
「これが主語で、これが動詞で・・・」
と文の要素を一つ一つ追っていくと、意外とすんなり文章の構造を理解出来る場合がほとんどだからです。
『英語長文レベル別問題集』では、下の画像のように全英文にていねいな「構造分析」が付いています。
使われている記号(「四角」や「下線」、「括弧」など)については、きちんと説明ページが設けられているので、それを見ながら読めば必ず理解出来ます。
「文法は苦手!」
「文法用語は難しくてよく分からない・・・」
という方も多いかもしれませんが、ぜひ毛嫌いせずに一度「構造分析」に取り組んでみてください。
「構造分析」にしっかりと取り組むと、「英語が完全に分かる」感覚を体験することが出来ます。
この「英語が完全に分かる」感覚というのは、「読んでなんとなく意味が分かる」感覚とはまったく違います。
そしてこの「英語が完全に分かる」感覚が身につくと、英語を学習するのがより一層楽しくなります。
英語を「借り物の言葉」ではなく「自分の言葉」として扱うことが可能だと実感出来るからです。
「構造分析」に使用する文章は、別に複雑で難解な英文でなくても、十分その効果を発揮します。
ぜひ『英語長文レベル別問題集』を活用して、自分のレベルに合った英文で「構造分析」に挑戦してみてください。
必ず、「英語を言葉として理解しやすくなった・・・!」という手応えが掴めるはずです。
amazonで見る → 英語長文レベル別問題集 4(中級編)センター試験・中堅私大レベル
まとめ
以上、自分のレベルにぴったりの長文で「精読」学習が出来る
『英語長文レベル別問題集』
のご紹介でした。
最後に、『英語長文レベル別問題集』をおすすめする理由を簡単にまとめておきます。
・CDが付属しているので、リスニングや発音の学習にも効果がある
・ていねいな「構造分析」で、「英語が完全に分かる」感覚を体験できる
『英語長文レベル別問題集』である程度「精読」学習のコツを掴めば、その後は自分の好きな文章(インターネットの英語記事や洋書など)を「精読」の教材にすることが出来ます。
ぜひ『英語長文レベル別問題集』を活用して、英語の広大な世界への第一歩を踏み出してみてください。
amazonで見る → 英語長文レベル別問題集 5(上級編)有名私大・国公立大レベル