英語学習のおすすめテキストを紹介するこのサイトで、まず真っ先に皆さんにご紹介するのは
どんどん話すための瞬間英作文トレーニング
です。
書店の英会話コーナーには沢山の英語関連の書籍が並んでいますが、「話せる英語」を目指すなら、最初の一冊はまちがいなくこの『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』(以下『瞬間英作文トレーニング』)がおすすめです。
以下、おすすめする理由を説明していきます。
なぜ日本人は英語が話せないのか?
「話せる英語」を目指す前に、まず「なぜ日本人は英語が話せないのか?」を考えてみましょう。あえて「日本人」と主語を少し大きくしましたが、これは「あなた」と置き換えても構いません。
なぜあなたは英語を話せないのか?
少し耳が痛いかもしれませんが、「話せる英語」を身につけるためには最初にこの問題をしっかり考えておくことが重要です。
さて、このサイトを見ている大多数の方にとって、学生時代の英語というのはイコール受験英語だったと思います。
受験英語のゴールというのは、最終的には筆記テストで高得点を取るということです。
つまり、あなたが学生時代に膨大な時間を費やしてきた英語は、筆記テスト用の英語だったわけです。
このことを分かりやすく図式化するとこのようになります。
ここで私が言いたいのは、「受験英語は無意味だ!」ということではありません。
そうではなくて
筆記テスト用の英語を勉強してきたあなたが、英語を話せないのは当然である
ということが言いたいのです。
「筆記テスト用の英語」と「話すための英語」というのは、似ているようで実はまったく違います。
いや、もっと正確に言えば、同じ英語ではあるけれど、脳の使い方がまったく違うのです。
したがって裏を返せば、「英語を話すためのトレーニング」をすれば必ず「話せる英語」を身に付けることが出来ます。
このことを図式にするとこうなります。
そして、この「英語を話すためのトレーニング」に最適なのが、今回紹介する『瞬間英作文トレーニング』なのです。
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日本人が英語を話せるようになるには?
さて、では日本人が英語を話せるようになるにはどうすれば良いのでしょうか?
つまりこのサイトを見ているあなたが英語を話せるようになるための方法です。
ここでは少し気分を変えて、読者の皆さんが考えそうな回答の例を幾つかあげてみたいと思います。
「英語の勉強を頑張る」
残念ながら不正解です。
もうすでに学生時代、英語の勉強を自分なりに頑張ってきたのではないですか?
そしてその結果、英語が話せなくて今困っているのではありませんか?
一つ前の段落で説明したように、「話せる英語」を身に付けるためには、筆記テストを前提にした「今までの英語」から、英語を話すための「これからの英語」に意識を切り替えなければなりません。
「頑張る」ことはもちろん重要ですが、今までのやり方で頑張っていてはいつまでたっても「話せる英語」は身につきません。
「海外ドラマを見る」
残念ながら不正解です。
野球の試合を100試合見たら、ヒットが打てるようになりますか?
野球の試合を1000試合見たら、ホームランが打てるようになりますか?
「話せる英語」を身に付けるためには、まずは自分でバッドを握り、自分でバッドを振ってみる必要があります。
失敗したり、思い通りいかないこともあるかと思いますが、それで良いのです。
正しいトレーニングと併用して「海外ドラマ」を活用するのはアリですが、「話せる英語」を身につけるために「海外ドラマを見る」というのは非効率すぎます。
「外国人の友だちをつくる」
残念ながら不正解です。
そもそも
「一方的な英語の習得を目的にした関係を友情と呼べるのか?」
という問題もありますし、第一この方法では外国人の友だち(?)と居る時しか英語のトレーニングをすることが出来ません。
「話せる英語」を身に付けるためには、少なくとも最初のうちは毎日、一定の時間、必ず英語に触れる必要があります。
「話せる英語を身につけて外国人の友だちをつくる」
は正しい努力の方向ですが
「話せる英語を身につけるために外国人の友だちをつくる」
では順番が逆です。
以上、回答が少し意地悪に聞こえるのを承知の上で、あえて辛口で回答させてもらいました。
「英語を話せるようになりたい」
と口では言いながら、あまりにもトンチンカンな遠回りな英語の勉強を続けている日本人が多すぎるからです。
「話せる英語」を身につける方法はたった一つ、
英語を話すためのトレーニングをすれば良い
これだけです。
繰り返しになりますが、この「英語を話すためのトレーニング」に最適なのが『瞬間英作文トレーニング』というテキストなのです。
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「英語を話せる」って具体的にどういうこと?
「英語を話せるようになりたい!」
と考えている日本人の方はとても多いと思いますが、そもそも「英語を話せる」というのは、具体的にどういう状態なのでしょうか?
イメージとしてはなんとなく英語を
「ペラペラ〜、ペラペラ〜」
と喋っている状態を思い浮かべる方が多いと思いますが、ここで言っているのはもっと具体的な状態です。
もし、この記事を読んでいるあなたが英語を話せるとしたら、あなたの頭の中はどういう状態になっていると思いますか?
単語や熟語の知識がたくさん頭の中にある状態でしょうか。
それとも、相手の言っていることがすべて理解出来る状態でしょうか。
実は「英語を話せる」というのは、具体的に言うと
頭の中に「英語の回路」がある状態
なのです。
この「英語の回路」は、英語の単語や熟語の知識を頭に詰め込んだだけでは育てることが出来ません。
また、もし仮に英語で相手の言っていることが100%分かったとしても、頭の中に「英語の回路」がなければ会話を成立させることが出来ません(英語で道を聞かれて、ジェスチャーで教えた経験はありませんか?コミュニケーションとしては立派に成立していますが、残念ながらそれでは「英会話をした」とは言えません)。
相手の話す英語を理解して、こちらの言いたいことを英語としてアウトプットする。
これをスムーズに行うのが「英語の回路」です。
世の中には「効果的!」と謳われている英語の学習方法が多数ありますが、「話せる英語」を身につけるためには、結局は頭の中に「英語の回路」を作り上げるしか手がありません。
そして、頭の中に「英語の回路」を作り上げるという点に注目し、特化したのが『瞬間英作文トレーニング』というテキストなのです。
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「瞬間英作文」ってどんなトレーニング?
それでは具体的に、「瞬間英作文」のトレーニング方法をご紹介しましょう。
「瞬間英作文」は、簡単に言うと
「短く」て「簡単」な英文を「速く」「大量」に話すトレーニング
です。
どれぐらい「短く」て「簡単」かご理解いただくために、実際に『瞬間英作文トレーニング』に掲載されている例文を引用させていただきます。
これは良い本です。
This is a good book.
(『瞬間英作文トレーニング』32,33ページ)
・・・簡単すぎて、もしかして拍子抜けしましたか?
この例文は、『瞬間英作文トレーニング』本文の一番最初に掲載されている例文です。
続いては、本文の2番目に掲載されている例文です。
この辞書は良い。
This dictionary is good.
(『瞬間英作文トレーニング』32,33ページ)
こちらの例文も、中学英語(しかも1年生レベル)で完全に理解出来るシンプルな英語ですね。
紹介した2つの例文は、『瞬間英作文トレーニング』の最初のセクション「this/that」に掲載されているものです。
このように『瞬間英作文トレーニング』では、とても 「短く」て「簡単」な英文を使って、頭の中に「英語の回路」を作り上げていきます。
さて、ここまで読み進んできて
「こんな簡単な英文を勉強して、本当に英語が話せるようになるのか?」
と思う方もいるかもしれませんが、「わかる」と「できる」では大違いです。
嘘だと思ったら、『瞬間英作文トレーニング』の「this/that」セクションに掲載されている3つめの例文を英語で言ってみてください。
制限時間は10秒です(「瞬間英作文」は英文を「速く」「大量」に話すトレーニングでもあるので、1分も2分も考え込むのは禁物です)。
あれはおもしろい本ですか?
ーはい、そうです。
(『瞬間英作文トレーニング』32,33ページ)
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
・・・・・
いかがでしょうか?
スムーズに英語が口から出てきましたか?
正しい英文は以下のとおりです。
Is that an interesting book?
ーYes, it is.
(『瞬間英作文トレーニング』32,33ページ)
頭の中に「英語の回路」が出来ていないと、まず”Is that 〜?”という文章のカタチがなかなか思い浮かばないかと思います。
また、”interesting book”という単語を思いついたとしても、”an”を付け忘れたり、”a”を付けてしまった方も多いでしょう。
質問に対する答え方も、”Is that〜?”で聞かれているからといって”Yes, that is.”と答えるのは不自然で、やはり”Yes, it is.”と答えるのが自然です。
この様に、「わかる」と「できる」の間には、自分が想像している以上に大きな隔たりがあります。
「筆記テスト用の英語」と「話すための英語」の隔たりと言ってもいいでしょう。
英会話においては「正確さ」と「スピード」の両方が求められます。
ですが、もし今回英文を上手に作れなかったとしても、どうかガッカリしたり、落ち込んだりしないでください。
筆記テストを目的とした「今までの英語」から、話すことを目的とした「これからの英語」に意識を切り替えてトレーニングすれば、必ず「英語の回路」を手に入れることが出来ます。
たとえあなたが何歳であっても「遅すぎる」ということはありません。
ぜひ『瞬間英作文トレーニング』に取り組んで、自分の頭の中に「英語の回路」が出来ていく感覚を体験してみてください。
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「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」の構成
かなり前置きの部分が長くなってしまいましたが、ここで『瞬間英作文トレーニング』の具体的な構成をご紹介したいと思います。
『瞬間英作文トレーニング』は大きく分けると
・トレーニング本体部分
・筆者の英語学習体験
という三部構成になっています。
目次から各項目を書き出し、簡単な説明も付けたので、購入の際の参考にしてみてください。
1・瞬間英作文トレーニングとは
今でこそ「瞬間英作文」という言葉は英語学習者界隈で一般的な言葉になってきましたが、この言葉は『瞬間英作文トレーニング』が一番初めに提唱した学習方法です。
なので本書の冒頭の部分では、筆者の森沢洋介先生が9ページに渡り「瞬間英作文トレーニングとは」と題してその内容を詳細に解説しています。
皆さんが今お読みになっているこの文章で納得出来ない部分も、筆者である森沢先生の言葉でなら腑に落ちるかもしれません。
この冒頭の9ページは、「何年間も英語を学習しているのに話せない」という日本人の英語の特徴を非常に端的かつ的確に指摘した文章ですので、もし書店に行く機会がありましたら、冒頭のこの部分だけでも目を通してみることをおすすめいたします。
2・瞬間英作文トレーニングの行い方
『瞬間英作文トレーニング』は、やり方に少し特徴があるため、効果的な行い方について10ページ分の解説があります。
具体的なやり方についてはこの後の「「瞬間英作文」の効果的なやり方」で解説するので、ここでは『瞬間英作文トレーニング』独特の用語について簡単に説明したいと思います。
ー サイクル回し
一つのテキストを一回で覚えこもうとせず、軽めに何度も繰り返して覚える手法。
ー セグメント分割
全79セクションあるテキストを幾つかの部分に分けて学習すること。
『瞬間英作文トレーニング』本体は「中学1年レベル(23セクション)」「中学2年レベル(34セクション)「中学3年レベル(22セクション)」で構成されていて、具体的には各学年のパートを3〜5つに分けることが推奨されている。
ー 英作文の流し
1つのセクションに掲載されている10の例文を一回ずつ英作文すること。
十分な「サイクル回し」をした後であれば、流れるようにスムーズに英作文が出来るようになる。
Part1 中学1年レベル
「this/that」「一般動詞」「命令文/Let’s」「現在進行形」などといった、中学1年生で習う23項目で構成されています。
英文法としては本当に基礎的な項目ばかりですが、この23項目に関してきっちりと「英語の回路」を頭の中に構築することが出来れば、おそらく「話すための英語」のトレーニングをしていない他の日本人とはまったく違うレベルの英会話力が身につけられるはずです。
Part2 中学2年レベル
「過去形」「感嘆文」「比較級」「最上級」「現在完了」など、中学2年生で習う34項目で構成されています。
part1の中学1年レベルに比べると項目数も多いですし、内容も少し複雑になっています。
ですが逆に言うと、このレベルの文章を操れる「英語の回路」を手に入れることが出来れば、英語を話すのが飛躍的に楽になります。
Part3 中学3年レベル
「間接疑問文」「関係代名詞」「too〜to・・・」「関係副詞」など、中学3年生で習う22項目で構成されています。
ここで取り上げられている項目に関する「英語の回路」が頭の中に出来ると、かなり長い文章も自分で組み立てられるようになります。
例文を見ると内容が複雑に感じられるかもしれませんが、自分自身の力で「中学1年レベル」「中学2年レベル」の「英語の回路」を頭の中にキッチリ組み上げた後であれば、さほど抵抗なく取り組めると思います。
私自身の瞬間英作文回路獲得体験
『瞬間英作文トレーニング』の巻末には、筆者である森沢先生自身が「英語の回路」を身につけるまでの体験談が掲載されています。
この体験談を読むと、「筆記テスト用の英語」では非常に優秀だった森沢先生(予備校の英語講師)も、いざ「話すための英語」となると他の大多数の日本人と同じく、大変苦労されていたことが分かります。
森沢先生ご自身は帰国子女や海外留学経験者ではなく、20歳を過ぎてから本格的に英語の勉強を始めたそうです。
そんな森沢先生が、数々の試行錯誤を繰り返しながら、日本国内で「英語の回路」を手に入れていく様子は、同じ日本人として読んでいて大変励まされます。
書店に行った際には、冒頭の「瞬間英作文トレーニングとは」とあわせてこちらの文章にも目を通すことをおすすめいたします。
以上、『瞬間英作文トレーニング』の構成の簡単な紹介でした。
『瞬間英作文トレーニング』は全部で205ページで、英語学習用のテキストとしてはごく標準的なボリュームです。
価格も定価で1994円と手頃です。
このボリューム、この価格のテキスト一冊に取り組むことによって、今までの「筆記テスト用の英語」が、実に鮮やかに「話すための英語」に生まれ変わります。
人生に対する投資として、これほど確実で割の良いものは他にありません。
もしこの紹介記事を読んで少しでも「ピン!」とくる感覚があれば、ぜひご自身の目で『瞬間英作文トレーニング』の内容を確かめてみてください。
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「瞬間英作文」の効果的なやり方
続いて、「「瞬間英作文」の効果的なやり方」について説明したいと思います。
テキストの冒頭で森沢先生ご自身が解説しておられる「瞬間英作文トレーニングの行い方」は、まとめますと以下のようなものです。
①トレーニング本体部分の各パート(中学1年生レベル、2年生レベル、3年生レベル)を、それぞれ3〜5つのセグメント(区分)に分ける
②各セグメントで「日本文を見て英作文」→「英文を見て答え合わせ」→「英文を口に落ち着ける」→「英作文の流し」という第1サイクルを行う
③各セグメントで「英作文の流し」→「英文を口に落ち着ける」という第2サイクルを行い、スムーズに言えるようになるまで繰り返す
④一つのセグメントが完成したら、次のセグメントに移る
⑤一つのパートの全セグメントが終わったら、そのパート全体に対して「英作文の流し」→「英文を口に落ち着ける」を行う
この様に文章にすると複雑に感じられるかもしれませんが、ポイントとしては
・同じセグメント、パートを繰り返し学習する
の2点です。
『瞬間英作文トレーニング』を一冊仕上げるにはそれなりに時間と根気が必要ですが、毎日コツコツと進めていけば必ず終わります。
そして正しい方法で『瞬間英作文トレーニング』を終わらせれば、必ず「英語の回路」を頭の中に構築することが出来ます。
結局のところ、私達が日本語を身につけるのに長い時間が必要だったように、英語を身につけるのにもある程度の時間が必要なのです。
「3日で英語をマスター!」
「あっという間に英語がペラペラ!」
といったタイトルに惹かれて、次から次へと英語のテキストを購入するのは、もうそろそろやめにしませんか?
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「瞬間英作文」で初心者がやりがちな失敗
続いては、私自身の経験を踏まえた上で「「瞬間英作文」で初心者がやりがちな失敗」をご紹介したいと思います。
この記事の冒頭で述べたように、我々日本人が学生時代に膨大な時間を費やしたのは「筆記テスト用の英語」であり、「話すための英語」ではありません。
そのため、「話すための英語」を習得するには英語に対する意識や取り組み方を大胆に切り替えなければならないのですが、最初のうちはそれがなかなか上手く出来ないことが多いようです。
「「瞬間英作文」で初心者がやりがちな失敗」を3つご紹介しますので、このサイトをお読みの皆さんは、どうか同じ失敗をしないようにお気をつけください。
【失敗例その①:カフェで英語の勉強をしてしまう】
張り切って『瞬間英作文トレーニング』を購入した皆さんが一番やってしまいがちな失敗は、カフェで英語の勉強をしてしまうことです。
スターバックスやタリーズ、ドトール等など、自宅とは違う環境でコーヒーの香りに包まれながら英語に取り組むのは、なんとなく新鮮で楽しいかもしれませんが、残念ながら典型的な失敗例です。
なぜなら、カフェで行える勉強は「筆記テスト用の英語」の勉強であり、「話すための英語」の勉強はカフェで行うのは不可能だからです。
『瞬間英作文トレーニング』で行う英作文は、かならず口頭で、声に出して行う必要があります。
しかも、個人的な経験から言わせてもらえば、ある程度大きな声で、感情を込めて言うのが効果的です。
幾つか例を挙げると
This soup is not very tasty.
このスープはあまり美味しくない。
(『瞬間英作文トレーニング』32・33ページより)
という英文は、出来れば顔をしかめて、首を小さく左右に振りながら言うべきです。
「美味しくないなぁ〜」
という気持ちと”This soup is not very tasty.”という英文を、表情や身振りを通して自分の意識の中でしっかりと結びつけるイメージです。
また
How kind he is!
彼はなんと親切なのでしょう。
(『瞬間英作文トレーニング』106・107ページより)
という英文は、目を大きく見開き、身体を少し前のめりにして言うべきです。
「なんて親切なんだ!」
という驚きと感心を、ダイレクトに”How kind he is!”という感嘆文に込めます。
『瞬間英作文トレーニング』の目的は、機械的にただ英作文を繰り返して暗記することではなく、頭の中に「英語の回路」を構築し、その結果実際に「話せる英語」を手に入れることです。
そのためには、必ず唇を開き、舌を動かし、声帯を震わせて声を発しなければなりません。
こういったトレーニングを行うのに、カフェはまったくと言っていいほど不向きです。
【失敗例その②:つい真面目に頑張ってしまう】
やりがちな失敗の2つめは、「つい真面目に頑張ってしまう」です。
「筆記テスト用の英語」では、その時その時に目標となる筆記テスト(中間テスト、全国模試、大学入試など)が明確に設定されているので、それに向かって限られた時間で自分の知識を最大限にしようと努力します。
このこと自体は間違いではありません。
ですが、『瞬間英作文トレーニング』に同じ調子で取り組むと、大抵の人はテキストを途中で投げ出してしまうと思います。
頭の中に「英語の回路」を作り上げるという作業は、決して暗記ではありません。
勉強というより、どちらかと言うとスポーツに近い作業です。
何度も同じことを繰り返し、長い期間続けることによって徐々に筋肉が増え、体力がついてきます。
筋肉も体力も無いのに、いきなり真面目に頑張ったら疲れ果ててイヤになってしまいます。
『瞬間英作文トレーニング』で必要なのは「真面目に頑張ること」では決してなく、むしろ「楽に長く続けること」です。
こういう話をすると、学生時代真面目に英語に取り組んだ人ほど
「学生時代、あんなに英語を頑張ったのに自分は英語を話せない。だから、もっと英語を頑張らないとダメだ!」
と思われるかもしれません。
しかしそんな人に必要なのは、「いままでの英語」の「さらなる努力」ではなく、「これからの英語」に向けた「正しい学習方法」です。
どうか「真面目に頑張る」よりも、「正しい学習方法」を「長く楽に続ける」ことに意識を集中してください。
【失敗例その③:「出来た!」と思ったら次のテキストを始めてしまう】
最後にご紹介するやりがちな失敗は「「出来た!」と思ったら次のテキストを始めてしまう」です。
これも【失敗例その②:つい真面目に頑張ってしまう】と同じく、学生時代真面目に取り組んだ人ほど陥りがちな失敗だと思います。
『瞬間英作文トレーニング』では「サイクル回し」といって、一つのテキストを一回で覚えこもうとせず、軽めに何度も繰り返す方法で英語を長期記憶に刷り込んでいきます(筆者である森沢先生は、これを『漆塗りをするように(18ページ)』と表現されています)。
さらに本書では「熟成サイクル回し」という言葉も紹介されており、これは楽に「英作文の流し(1つのセクションに掲載されている10の例文を一回ずつ英作文すること。)」が出来るようになった後、さらに4〜5サイクル「英作文の流し」を行うことです。
一見無駄に見えるような「熟成サイクル回し」ですが、この作業を行うことによって初めて、文型や語彙が脳の長期保存倉庫に保存され、いつでも自由自在に会話で使いこなせるようになります。
このように、『瞬間英作文トレーニング』は「最初から最後まで1周やったから終了!」というタイプのテキストではなく、何度も何度も繰り返して使用するタイプのテキストなのです。
「何周やったら終了して良いのか?」
は人によって多少差があるかと思いますが、15周〜20周がおおよその目安です。
もちろん15周〜20周とはいっても、各セグメントを仕上げるのに同じセクションを何度も繰り返すはずなので、実際に同じページの同じ英文に向き合う回数はもっと多いはずです。
英語に対するモチベーションが高い人ほど
「早く次のテキストを始めたい!」
「新しい英語の知識を手に入れたい!」
と焦るかもしれませんが、まずは『瞬間英作文トレーニング』というテキストを一冊、完全に仕上げることを優先させてください。
テキストの端が擦り切れてボロボロになればなるほど、頭の中の「英語の回路」が強固になり、流暢に、スムーズに英語が話せるようになるはずです。
以上、「瞬間英作文」で初心者がやりがちな失敗を3つ紹介させていただきました。
具体的な失敗例を挙げることによって、「筆記テスト用の英語」と「話すための英語」の学習方法の違いもイメージしやすくなったかと思います。
『瞬間英作文トレーニング』は「話すための英語」に特化したユニークな英語学習テキストです。
「筆記テスト用の英語」はそろそろ卒業して、「話すための英語」に時間を投資してみませんか?
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「瞬間英作文」を続ける3つのコツ
「やりがちな失敗」を紹介したので、こんどは「「瞬間英作文」を続けるコツ」について説明します。
『瞬間英作文トレーニング』は今まで長年親しんできた「筆記テスト用の英語」テキストではないので、今までどおりの勉強のやり方で取り組むと「やりづらい」と感じるかもしれません。
今回説明する3つのコツはどれも本当にちょっとしたことですが、前もって知っておくと「瞬間英作文」を続けやすくなりますので、ぜひ確認してみてください。
【コツその1:時間と場所を確保する】
『瞬間英作文トレーニング』では英作文の際、必ず英文を声に出します。
黙読やノートへの筆写ではなく、必ず声に出して喋ることが重要です。
なので『瞬間英作文トレーニング』に取り組む際には、気兼ねなく声を出せる環境を確保する必要があります。
自宅の自分の部屋で音読出来る人は問題ありませんが、壁が薄かったり、家の中で1人になれる空間が無い場合は、少し工夫が必要になります。
例をあげるので、ぜひ参考にしてみてください。
・早朝出社して、会社の空いている会議室を利用する
・一人用のカラオケルームに行ってみる
・公園やデパートの屋上にあるベンチを利用する
・駐車中の車の中で勉強する
社会人の英語の勉強ではよく「スキマ時間の活用が大事だ」と言われますが、『瞬間英作文トレーニング』に限って言えば、スキマ時間というよりむしろしっかりと時間と場所を固定した方が長続きしやすいと思います。
たとえば上の例でいくと
・毎朝必ず始発電車で出社し、始業までの時間を『瞬間英作文トレーニング』に充てる
・毎日退社後必ずカラオケルームに立ち寄り、夕食を食べた後『瞬間英作文トレーニング』に取り組む
などです。
おそらく今までの生活習慣やリズムが変わると思いますが、ぜひ『瞬間英作文トレーニング』のページを開くのが毎日の新しい習慣となるよう、前向きに工夫してみてください。
【コツその2:出来なくても落ち込まない】
この記事の冒頭の『なぜ日本人は英語が話せないのか?』でも説明したように、今まで「英語」=「筆記テスト用の英語」だった大多数の日本人は「話すための英語」が非常に苦手です。
そのため、いざ『瞬間英作文トレーニング』を始めてみると『あなた方は学生ですか?』『彼はたくさんの本を持っている。』といった中学1年生レベルの英作文がスムーズに出来ない人がほとんどです。
どうか、英作文が上手に出来なくても落ち込まないでください。
「筆記テスト用の英語」と「話すための英語」は、似ているようで実はまったく違うのです。
決してあたなに語学の才能が無いわけではありませんし、今まで沢山の時間を費やしてきた「筆記テスト用の英語」が無駄というわけでもありません。
頭の中に「英語の回路」が出来れば、必ずあなたも英語を話せるようになります。
どうか、英語を話せる人生をあきらめないでください。
・・・とは言っても、やはり『瞬間英作文トレーニング』に取り組み始めた最初のうちは、誰でも自分のあまりの英作文の出来なささに挫けそうになると思います。
そんな時は、ぜひ次に紹介する「コツその3」を実行してみてください。
【コツその3:最初の一周はテキストとCDを両方使う】
『瞬間英作文トレーニング』で一番大変なのは、最初の1周です。
生まれて初めて出会う文章を「速く」「大量に」英作文するのですから、最初のうちは本当に脳がくたびれ果ててクタクタになります。
「「瞬間英作文」の初心者がやりがちな失敗」で【失敗例その②:つい真面目に頑張ってしまう】を紹介しましたが、真新しいテキストを手に入れ、「今度こそ英語を話せるようになる!」と意気込んでいるあなたは、おそらく「つい真面目に頑張ってしまう」はずです。
本来『瞬間英作文トレーニング』では、すぐに英文が出てこない時は考えこまずにすぐに英文を見るのがルールですが、多くの人はつい今までの「筆記テスト用の英語」のクセで頑張ってしまいがちです。
持てる英文法の知識を総動員しなんとか自力で英作文しようと努力した挙句、結局は時制がハチャメチャだったり三単現の-sを付け忘れた英文しか作ることが出来ず、「やっぱり自分に英会話は向いていないんだ・・・」と暗い気持ちになってしまうかもしれません。
そしてその結果、「中学生レベルの簡単な英作文も出来ない」自分に向き合うのが辛くなって、『瞬間英作文トレーニング』を開くのをやめてしまう人も少なくないと思います。
こういった事態を避けるために、最初の一周はぜひテキストとCDの両方を使ってみてください。
具体的には、『瞬間英作文トレーニング』付属のCDを聞きながら、テキストを音読します。
テキストの英文の部分を隠す必要はありません。堂々と英文を見ながら音読してください。
CDも、上手く言えなかったからといって途中で停止したり巻き戻す必要はありません。日本語文と英文の間にポーズが入っていますが無視しましょう。CDに録音されているままのスピードで、英文を読み上げるネイティブスピーカーの声に自分の声を重ねて音読してください(もちろん、途中で飲み物を飲んだり、休憩する際はCDを停止してもかまいません)。
付属のCDに収録されている音声は約140分なので、この方法でなら最短140分で『瞬間英作文トレーニング』の最初の1周を終わらせることが出来ます。
『瞬間英作文トレーニング』の中で筆者の森沢先生は
(前略)トレーニングの序盤からCDを使ったトレーニングを行うと、単に歌詞を覚えるように音だけを機械的に記憶してしまうことがあります。
(『瞬間英作文トレーニング』27ページより)
と仰っていますが、1回聞くだけなら特に悪影響はありません。
また、『瞬間英作文トレーニング』の最初の一周でCDを聞きながらテキストを音読するのには、次の3つのメリットがあります。
-
メリット1:ごく短時間で「テキストを一周やり終えた」という自信が持てる
-
メリット2:テキストを一冊仕上げるのにどれくらいの期間が必要かおおよその目安がつく
-
メリット3:中学英語の文法を一通り復習出来る
『瞬間英作文トレーニング』の最初の一周は、ぜひテキストとCDを両方使ってください。
これだけでテキストの途中で挫折してしまう可能性が少なくなり、結果として「話せる英語」を身につけられる可能性が格段に上がります。
以上、「「瞬間英作文」を続ける3つのコツ」でした。
『瞬間英作文トレーニング』は素晴らしいテキストですが、本棚に飾っているだけでは「話せる英語」は身につきません。
今、この文章を読んでいる方は、『瞬間英作文トレーニング』というテキストの存在を知っているだけでなく、『瞬間英作文トレーニング』を続けるコツも知っていることになります。
ぜひ『瞬間英作文トレーニング』を毎日の生活に取り入れ、自分の頭の中に一生使える「英語の回路」を手に入れてください。
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コレ1冊やれば「英語ペラペラ」になる?
『瞬間英作文トレーニング』についてご紹介してきたこの文章も、そろそろ終わりが近づいてきました。
ここまで読み進んできた皆さんが今一番知りたいのは、おそらく
「『瞬間英作文トレーニング』をやれば本当に「英語がペラペラ」になるのか?」
というコトではないかと思います。
海外旅行先で地元の人と英語で冗談を言いあったり、英語を使用する会議で颯爽と自分の意見を述べたりなど
「もし英会話が出来たらやってみたいこと」
を頭に思い浮かべた人も多いでしょう。
しかし結論を先に言えば、答えは残念ながら「No」です。
『瞬間英作文トレーニング』を完璧に仕上げたとしても、皆さんが想像している「英語ペラペラ」の状態にはなりません。
「嘘をついたのか!?『瞬間英作文トレーニング』をやれば頭の中に「英語の回路」が出来て、「話せる英語」が身につくと言ったじゃないか!」
とお怒りになるのもごもっともです。
どうかもう少し説明させてください。
この記事を読んでいる皆さんはおそらく「日本語ペラペラ」だと思いますが、これは今までに膨大な日本語の経験の蓄積があるからです。
日本語で書かれた本を読み、日本語のテレビや映画を見て、日本語で勉強や仕事をしているはずです。
それに対して、『瞬間英作文トレーニング』で頭の中に作り上げた「英語の回路」は、まだ本当にヨチヨチ歩きの赤ん坊です。
赤ん坊が気の利いた冗談を言って人を笑わせたり、会議で的を射た発言が出来ないように、皆さんの頭の中の「英語の回路」もまだ出来ないことが沢山あります。
ですが、赤ん坊が周囲の会話や絵本からグングン言葉を吸収していくように、「英語の回路」も言葉を吸収し、成長していきます。
『瞬間英作文トレーニング』で手に入れた「英語の回路」は、これからあなたが英語での経験を重ねて成長していくための、一番重要で一番基本的な核となる部分です。
今まで日本語でそうしてきたように、ぜひ英語でも読み、書き、聴き、話してください。
母国語である日本語と同じ語彙や流暢さを手に入れるのには気が遠くなるほどの時間と努力が必要ですが、他の大多数の日本人から
「あの人は英語がペラペラだな」
と思われる程度の英語力を手に入れるのは、実はそれほど難しくないのです。
ぜひ、明日といわず今日から『瞬間英作文トレーニング』を始めてください。
「あの人は英語がペラペラだな」
と周囲から思われるためのポイントは、「筆記テスト用の英語」から「話すための英語」に意識と行動を切り替え、核となる「英語の回路」を手に入れることです。
1人でも多くの日本人が「英語の回路」を手に入れている未来を、心から切望しています。
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「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」まとめ
以上、長文にお付き合いいただきありがとうございました。
最後に、この記事の内容を簡単にまとめて終わりとさせていただきます。
・話すための英語に必要な「英語の回路」を作るのに最適なのが『瞬間英作文トレーニング』
・『瞬間英作文トレーニング』の特徴は 「短く」て「簡単」な英文を「速く」「大量」に話すこと
・必ず英文を声に出す必要があるのでカフェでの勉強は不向き
・最初の1周にテキストとCDを併用すると、挫折する可能性が格段に下がる
書店には英語関連の素晴らしい書籍がたくさん並んでいますが、実際に話せる英語への最短ルートという視点で考えると『瞬間英作文トレーニング』が最強なのは間違いありません。
ぜひ『瞬間英作文トレーニング』をやり込んで、英語を話すための「英語の回路」を手に入れてください。
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おまけ:『瞬間英作文トレーニング』の問題点
一万字をゆうに超えるこの記事を最後まで読んでくださったお礼として、ここで特別に『瞬間英作文トレーニング』の2つの問題点とその解決方法をお教えいたします。
完璧な人間がこの世にいないように、「これ一冊で英語が完璧にマスター出来る!」という参考書も存在しません。
『瞬間英作文トレーニング』の弱点を踏まえた上で、それを上手に補いながら「英語の回路」を育てていただければ幸いです。
【『瞬間英作文トレーニング』の問題点その1:文法の解説がほとんど無い】
『瞬間英作文トレーニング』は「英語を話せるようになる」というその一点に特化したテキストなので、文法に関する解説はほとんどありません。
そのため、テキストを進めていくうちにおそらく
「どうしてあの文では”a”が使われていて、この文では”the”が使われているのだろう?」
「見るという意味のsee, look, watchはどう使い分ければ良いのだろう?」
などといった疑問がたくさん湧いてくると思います。
そんな英語に関する疑問を解決するには、『一億人の英文法』という文法書がおすすめです。
600ページをゆうに超えるボリュームで読み通せるか少し不安に感じられるかもしれませんが、イラストもたくさん使われていますし、なにより筆者である大西泰斗先生の語り口が親しみやすいので、分厚さの割にはとても読みやすい本です。
いままで「英文法」という言葉に対してなんとなく苦手意識を持っていた人も、今までとは少し違う視点から英語を眺められるようになる一冊ですので、ぜひ気後れせずに手にしていただければと思います。
ちなみに『一億人の英文法』は、本来最初から順番に読み進めていくタイプの文法書で、索引がついていないのですが、出版元である東進のWebサイトでPDF版の索引をダウンロードすることが出来ます。
もし必要であればご活用ください。
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【『瞬間英作文トレーニング』の問題点その2:語彙がまったく増えない】
『瞬間英作文トレーニング』は、「短く」て「簡単」な英文を「速く」「大量」に話すという学習方法なので、例文に使われている英単語はあえて簡単なものに制限されています。
なので、『瞬間英作文トレーニング』をどんなにやり込んでも、英単語のボキャブラリーを増やすことは出来ません。
もし英単語のボキャブラリーを増やしたいと思っている場合は、『DUO3.0』というテキストがおすすめです。
『DUO3.0』では、英会話によく出てくる重要単語1600語と重要熟語1000語が、重複なしで560本の英文にコンパクトにまとめられており、非常に効率よくボキャブラリーを増やすことが出来ます。
『瞬間英作文トレーニング』で構築した「英語の回路」と『DUO3.0』で身につけたボキャブラリーが組み合わさると、「英語で言えること」「英語で理解できること」が飛躍的に増えます。
もし『瞬間英作文トレーニング』の学習に少し余裕が出てきたら、ぜひ『DUO3.0』でのボキャビル(ボキャブラリー・ビルディングの略。「語彙増強」の意)も視野に入れてみてください。
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(『DUO3.0』本体にはCDは付属していませんので、学習する際は別売りのCDも合わせて購入してください)