「5行エッセイ」で英語の思考回路が身に付く『ハーバード式英語学習法』

このサイトを訪問してくださった皆さんは、おそらく全員が
「英語を話せるようになりたい」
と思っているはずです。

それは裏を返せば
「今はまだ英語を話せない」
ということなのでしょう。

しかしその「英語を話せない」というのは、本当に「英語を」話せないのでしょうか?

もしかしたら「英語を話せない」と思っているうちの何割かの方は、日本語の思考回路のままで英語を話そうとして、足がもつれて思うように走れないだけかもしれません。

日本語と英語がまったく違うのと同じように、日本語の思考回路と英語の思考回路もまたまったく違います。
たとえどれだけ「英文法」や「英単語」に熟達したとしても、日本語の思考回路のままで英語を話そうとすると、話す方も大変ですし、聞く側も多大な労力を強いられることになります。

今回紹介する『ハーバード式英語学習法』は、この英語の思考回路の習得に特化したテキストです。

「ハーバード式」と言われると
「書いてあることが難しいのでは・・・?」
と身構えてしまう方が多いかもしれませんが、内容はいたってシンプルで易しく、なおかつ丁寧です。

「自分なりに一生懸命英語学習を頑張っているのに、どうしても英語をスムーズに話せない」
という方は、より一層難しい構文や英単語をがむしゃらに覚える前に、ぜひ一度『ハーバード式英語学習法』を読むことをおすすめします。

『ハーバード式英語学習法』は、『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』や『一億人の英文法』とは違い、カフェでコーヒーを飲みながら気軽に読めるテキストです。

もしかすると、この一冊がスムーズな英会話の突破口になるかもしれません。

以下、『ハーバード式英語学習法』の内容を紹介していきます。

「5行エッセイ」を軸にした英語学習のロードマップ

『ハーバード式英語学習法』では、「5行エッセイ」を軸にした英語学習のロードマップを提唱しています。

「5行エッセイ」というのは、文字通り5行で書かれたエッセイのことで、たとえば以下のような文章のことです。

『ハーバード式英語学習法』7ページより

見て分かるとおり、難しい単語や構文はいっさい使われていません。
中学生でも簡単に理解出来る、とても平易で短い英文です。

これぐらいだったら、自分でも書けそうだと思いませんか?

『ハーバード式英語学習法』では、エッセイについてこんな風に説明されています。

ここで言う「エッセイ(essay)」は日本語の「随筆」ではありません。気ままに思いついたことを書きつづったものではなく、相手に伝えることを前提に「自分の考えを整理して書いたもの」です。
(『ハーバード式英語学習法』6ページより)

そして、この「5行エッセイ」を軸にした英語学習のロードマップは、以下のようなものです。

(『ハーバード式英語学習法』24ページより)

先ほど紹介した夏に関する「5行エッセイ」はとてもシンプルなので、もしかすると
「少し内容が子供っぽい気がする・・・」
「ビジネス英語とは少し違うのでは・・・?」
と感じた方がいるかもしれません。

ですが、この英語学習のロードマップに従って「5行エッセイ」を進化させ、しっかりと自分のものとして身につければ、最終的にはビジネスの場でも遜色なく使える「世界標準の英語」が話せるようになります。

それでは、「世界標準の英語」のベースとなる5行エッセイについて、さらに詳しく説明していきましょう。

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「5行エッセイ」の3つのルール

「5行エッセイ」には、「最初に結論を述べる」「理由を3つ挙げる」「最後に結論を繰り返す」という3つのルールがあります。

(『ハーバード式英語学習法』31ページより)

先に紹介した夏に関する「5行エッセイ」も、下の図のようにこの3つのルールに沿って書かれています。

(『ハーバード式英語学習法』37ページより)

単純で簡単なルールのように思えますが、このたった3つのルールが、日本語の思考回路を英語の思考回路に切り替える上で大変重要なポイントになります。

英語圏には基本的に「空気を読む」という文化が無い(ローコンテクスト文化)なので、日本語の思考回路のままで話しても、相手に自分の言いたいことがうまく伝わりません

最初のうちは少し堅苦しく思えるかもしれませんが、ぜひこの「最初に結論を述べる」「理由を3つ挙げる」「最後に結論を繰り返す」という3つのルールに沿って「5行エッセイ」を書いてみてください。

それが、英語の思考回路を身につける第一歩になります。

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「5行エッセイ」を音読してみる

『ハーバード式英語学習法』の英語学習ロードマップでは、「5行エッセイ」が完成したらそれを音読することを推奨しています

恥ずかしがらずに、なるべく大きな声で音読してみてください。

音読すればするほど、自分の書いた文章が自分に馴染み、自分自身がダイレクトに発する言葉になっていく感覚を味わうことが出来るでしょう。

また音読では、自分の「書いた」エッセイを目で「読んで」、声に出して「話し」、さらにそれを耳で「聞く」ことで英語の4技能(書く・話す・読む・聞く)をまんべんなく鍛えることが出来ます。

ちなみに、『ハーバード式英語学習法』の第4章では発音に関して多くのページが割かれていますが、この発音の具体的な部分に関しては正直読み飛ばしても良いかと思います。

英語の発音に関しては『英語耳』というCD付きの素晴らしいテキストが別に存在するので、時間があればぜひ『英語耳』を使って発音の練習をすることをおすすめします。
【関連記事】
発音と同時にリスニングも出来るようになる『英語耳』

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「5行エッセイ」を会話やスピーチに応用してみる

「5行エッセイ」の音読を繰り返し、暗誦(あんしょう)出来るくらいになったら、次は「5行エッセイ」を会話やスピーチに応用してみましょう。

「5行エッセイ」は、いわば会話の「ネタ」が整理された状態で入っている頭の中の引き出しです。

音読を繰り返し、いつでも引き出しから自由に「ネタ」を出し入れ出来る状態にしておけば、会話をコントロールすることが可能になります。

繰り返しになりますが、「5行エッセイ」が完成したらぜひ音読を繰り返し、メモを見なくてもスムーズに口から言えるようにしてください。

また、「5行エッセイ」はいわば英語の「持ちネタ」なわけですから、初めから話すつもりでエッセイを書くという手も勿論あります。

海外でホームステイをする予定なら「私の故郷」「私の家族」「私の趣味」
仕事で英語を使うなら「私の仕事」「私の専門」「私たちの使命」
外国人を京都に案内するなら「京都の歴史」「京都の観光名所」「京都の食べ物」といった「5行エッセイ」をあらかじめ書いて準備しておけば、実際の英会話で大変役に立つでしょう。

「5行エッセイ」を会話やスピーチに応用するという点について、『ハーバード式英語学習法』ではこんな言葉で説明されています。

エッセイを書くスキルとディスカッションで話すスキルは、珠算(ソロバンを使った計算)と暗算に似ているかもしれません。(中略)
珠算の達人も、いきなり暗算ができたわけではありません。ソロバンという道具を使って何度も練習をすることによって、計算という「ソフトウェア」が自分の中に内製化されていきます。
英語も同じです。5行エッセイを書くスキルの習得を通じて、英語を話すためのスキルを獲得することができるのです。
(『ハーバード式英語学習法』114ページより)

「5行エッセイ」をどんどん書いて、どんどん音読し、そしてどんどん使ってみましょう。

(『ハーバード式英語学習法』115ページより)

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「5行エッセイ」を発展させる

 「5行エッセイを書く」
→「5行エッセイを音読する」
→「5行エッセイを会話やスピーチなどに応用する」

と、5行エッセイを軸とした英語学習のロードマップを進めてきたら、次は「5行エッセイ」を発展させてみましょう。

『ハーバード式英語学習法』では、「5行エッセイ」の内容をさらに発展させるためのテクニックが紹介されているので、幾つかご紹介します。

【テクニックその1、証拠を添えて「5行エッセイ」を肉付けする】
「5行エッセイ」に証拠を添えることで、説得力が増し、結論が強化されます。

具体的には、「5行エッセイ」の3つの理由にそれぞれ「数字」や「事実」といった証拠を付け加えていきます。

この記事の前半でご紹介した夏に関する「5行エッセイ」を、この手法で発展させると以下のようなエッセイになります。

(『ハーバード式英語学習法』127ページより)

エッセイ全体のボリュームが増し、それに伴って結論が強化されているのがお分かりいただけるでしょう。

【テクニックその2、キーワードを加えて「5行エッセイ」を整える】
「5行エッセイ」にある種のキーワードを加えることで、エッセイの内容が相手に伝わりやすくなります。

『ハーバード式英語学習法』で解説されているキーワードの中から、「構成」「関連」の2つをご紹介します。

ー「構成」のキーワード
「構成」のキーワードを使うと、「今何の話をしているのか」を相手に明確に伝えることが出来ます。

具体的な単語としては

「First(第一に)」
「Second(第二に)」
「Third(第三に)」
「Overall(要するに)」

などが挙げられます。

夏に関する「5行エッセイ」を、この手法を使って発展させると以下のようになります。

(『ハーバード式英語学習法』129ページより)

たった4語を加えただけですが、エッセイ全体が論理的になり、グッと「英語らしく」なったのがお分かりいただけるかと思います。

「構成」のキーワードには以下のようなものがあります。

(『ハーバード式英語学習法』158ページより)

ー「関連」のキーワード
「関連」のキーワードを使うと、センテンス同士が「どう結びついているか」が明確になります。

証拠を添えて肉付けした夏に関する「5行エッセイ」の一部を、「関連」のキーワードを使って発展させてみましょう。

まずは「関連」のキーワードを使う前の文章です。

(『ハーバード式英語学習法』132ページより)

「関連」のキーワードを付け加えるとこうなります。

(『ハーバード式英語学習法』132ページより)

「To illustrate(具体的に)」というキーワードで具体例を「例示」し、「Moreover(さらに)」というキーワードで新しい情報を「追加」することによって、「日が長い」という夏を好きな理由がさらにハッキリします。

「構成」のキーワードには、例として以下のようなものがあります。

(『ハーバード式英語学習法』159ページより)

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まとめ

以上
「5行エッセイ」で英語の思考回路が身に付く『ハーバード式英語学習法』
のご紹介でした。

この記事の内容を簡単にまとめると以下のようになります。

・英語の思考回路を身につけるには「5行エッセイ」を軸にした英語学習のロードマップが効果的
・「5行エッセイ」には「最初に結論を述べる」「理由を3つ挙げる」「最後に結論を繰り返す」という3つのルールがある
・「5行エッセイ」を書いたら音読し、その後会話やスピーチに応用してみる
・「証拠を添える」、「キーワードを加える」などのテクニックで「5行エッセイ」を発展させることが出来る

「TOEICで高得点は獲ったものの、話す英語となるとまったくダメで・・・」
という悩みをよく耳にしますが、『ハーバード式英語学習法』はこういった方にまさにおすすめのテキストです。

たとえ「夏が好き」という単純な結論であっても、英語の思考回路を使うと、自信をもって論理的に英語を話すことが出来るようになります。

逆に言うと、たとえ完璧な発音や複雑な構文で流暢に英語を話せたとしても、話の内容が日本語の思考回路のままだと
「英語自体は理解できるが、結局何を言いたいのかが分からない」
ということになりかねません。

『ハーバード式英語学習法』が、一人でも多くの日本人の英語のブレイクスルーのきっかけになることを心より祈っております。

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